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欲求不満

Kはカミソリをもってうずくまっている。自分で剃毛をさせるのだ。毛むくじゃらの汚い肉棒は見たくない。アタシの口の中ではじけるならツルツルのが好みだ。
「早く。自分でやるんだよ。体じゅう全部。」
観念したようすで、カミソリをあてた。思ったより複雑なカーブを石鹸で滑らせるのだから、注意深くやらないときっと血を見る。アタシはそれを煙草を吸いながら見守る。
「早く、もっと早くできないの?くわえてやんないからね。」
Kの申し訳なさそうな顔を見るのが好きだ。なさけない犬のような阿呆面がかわいく思えてくる。必死の剃毛がおかしくて、悪戯な心がはやる。
「灰皿。」
そういうとKは私の元にかけより、頭をたれて膝まづく約束になっている。それは絶対なので、泡だらけのKが近づいてくる。いつものようにツムジをめがけて灰を落とす。
「ありがとうございます」
「馬鹿。口聞くんじゃねぇよ。遅いんだよ来るのが。」
そう言ってKの腰のあたりをヒールで思いっきり蹴りこんだ。不安定な姿勢は石鹸のぬめりにとられて、バスルームにオーバーアクションでダイブする。
「ひぃっ」
小さくさけんで、太もものあたりから血がにじむ。カミソリの歯が吸い込まれたようだ。
「そんなんじゃ毛がなくなる前に血だらけだよ。何をやらせてもヘタなんだから。アンタはアタシになにができるっていうの?アタシがこんなに愛してたって、満足に言うことひとつ聞くこともできないじゃないの。」
カミソリを取り上げる。
「犬の格好してごらん。ケツを高く持ち上げてよつんばいだよ。もっと高く、足を開いて。汚いケツを見せるんだよ。」
触れるか触れないかの手つきでペニスの先に手をのばす。石鹸より強いぬめりでその形をなぞっていく。固くそそり立ったモノをいとおしくなであげながら、裏スジを通って袋をもみしだいていく。小さくうめき声を上げるKの性器のすぐそばを、私の手とカミソリがなぞっていく。
「ほらね、気持ちいいでしょう?こうしていれば、怖くないでしょう。でも勘違いするんじゃないよ。アタシに愛されてるなんて勘違いするんじゃないよ。おまえがアタシを愛してるんだろう?アタシがその気持ちを受け止めてあげているんだからね。」
剃り落とした毛が混じった石鹸の泡がピンクにところどころ染まって、クリームののったおいしいケーキを作っているようで嬉しくなる。左手は肛門を探し当てた。指で円を描くようになでるとKの声はさらに大きくなる。
「女みたいに泣くんじゃないよ!」
なでていた指をぐっと突っ込んだ。荒々しく内壁をかき回す。指よりもっと太い物を突っ込みたい。濡らしてやっただけありがたく思うがいい。肛門から内臓をかき回してグチャグチャにしてやりたいのだ。Kは叫び声とも泣き声ともつかない声をあげて震えている。

泣きやむまで放っておく。私は服を脱がない。よつんばいで素っぱだかのKはなんともみっともない。煙草を2本吸って、まだグズグズしているKに熱いシャワーをかけた。不意をつかれてまた転げ回る。45度のシャワーで流されて、Kはすっかりきれいになった。「さぁ、もう泣かなくていいのよ。きれいになって女の子みたいじゃない。仲良くしてあげるね、アタシがずっと仲良くしてあげるから。」
抱きしめるとKは小さくうなずいて上目使いで私を見上げる。体の傷はいづれ消える。でもそれじゃダメなのだ。私でなければ気が狂うほどの痛みを、忘れられなくなるほどの深い傷を、心と体に覚えさせてやるのだ。最高の絶頂感を、抜け殻になるまで吸い尽くして、いつか戻れないところまで一緒に落ちていってやる。私のこの手で、一人の人格を好きなように破壊し、味わい尽くすのだ。馬鹿な男。かわいそうでかわいらしい、私の愛の奴隷。

 

 

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Presented by
Megumi Hinokiyama
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