up data 1997.9.17

妄想と幻想
 

もう-そう【妄想】
ありもしないことを想像して、事実だと信じる考え。

中学の同級生が、急に肉や魚をかわいそうって給食をたべなくなって、そのうち独り言とか言い出して。当然壊れ具合が噂になり嫌われはじめた。
その子が私に日記を見せてくれるんだけれど、たとえばクラスの男の子にラブレターとか出して、出した次の日からポスト気にしちゃってんの。「返事くるといいなぁ」が日を追うごとに「なんで返事くれないんだろう」に変わっていって、感情はレッドゾーンに入っていく。
でも、その次の日には「きっとはずかしくてなかなか返事が書けないでいるんだ」って納得してて、寒くなった覚えがある。「ありもしないことを想像して、事実だと信じて」しまうのは、すごいことのような気もするけれど、やっぱり彼女には返事がこなかったんだ。

蜜蜂って、構造力学的に見ても、あの体にあの羽では本当は飛べるわけがないんだって話を聞いたことがある。で、なんで飛べているかといえば、生まれた時からまわりがみんな飛んでいるからなんだって。「ありもしないことを考えているうちに、事実だと信じてしまう」と蜂は飛べるようになってしまうらしい。
もうそれは事実だけれど、まだ妄想って呼ぶのかしら。どなたか詳しい方教えてください。

 

げん-そう【幻想】
とりとめもない想像や空想。現実にないのにあるかのように感ずること。

かわってこちらは、“とりとめのない”ところがポイントでしょう。
現実にはないのにまるであるかのように感じてしまう、想像&空想……妄想の『事実だと信じる』ところに対して、幻想の『あるかのように感ずる』までにとどめているあたりが、復作用が少なくてよさそうです。
いきなりあけて、エキセントリックな妄想につきあわされて、いやーな気分になった方にはすいません。リードオンリーのHTMLでは、誹謗&中傷もままなりませんね。

 

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Megumi Hinokiyama
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